抄録
400p.p.m. 水溶液自由摂取によるラットアクリルアミド末梢神経炎に対する施灸刺激の影響を末梢神経の形態変化およびその支配筋である前脛骨筋, 腓腹筋, ヒラメ筋のコリンエステラーゼ活性を中心に検索した。アクリルアミド群では, ミエリン変性を主とする退行変性が特に脛骨神経に著明であり, ヒト経穴相当部位としての大腸愈および肝愈施灸群で比較的良好な改善効果がみられた。又, 筋湿重量あたりのコリンエステラーゼ活性はアクリルアミドによって前脛骨筋の粗ホモジネートで増加傾向がみられた以外変動はないのに対し, 施灸併用群では腓腹筋のミクロゾーム分画で有意な活性増加がみられ, 筋蛋白量あたりの酵素活性でも一部変動が認められた。