全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
仮面うつ病に対する鍼灸治療 (I)
中村 満繩田 隆生松岡 憲二小田原 良誠長谷川 汪田和 宗徳池内 隆治大田 信太郎西牧 紀子
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 33 巻 2 号 p. 177-184

詳細
抄録
うつ病は近年増加の一途をたどり, 鍼灸の臨床においても仮面うつ病の患者にしばしば遭遇する。これらの患者には症状の原因である抑うつ感情に対する治療が必要である。今回, 仮面うつ病スクリーニングテストを行い, うつ傾向の者を選び出し鍼治療を行った。
方法: Actual Group として百会, 身柱, 心兪, 巨闕, 神門, 三陰交, Placebo Group として陶道, 風門, 水分, 下廉, 懸鐘を選び金鍼にて置鍼10分, 週3回の治療を行った。
結果: Actual Group は4週後には71%が正常域に達し, 精神症状と身体症状ともに改善された。Placebo Group では4週後でも64%が抑うつ領域にあった。
結論: 精神疾患によく用いられる経穴による鍼治療で精神症状と同時に身体症状の改善をもたらし, うつ状態の寛解か認められた。
引用文献 (4)
著者関連情報
© 公益社団法人 全日本鍼灸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top