モジュールでの溶質移動の研究は、従来、非電解質について行われてきたが、本報では、電解質について検討を行った。Kleinらが示したダイアリザンス(DB)は非電解質に対するものであるが、この式が電解質についても成立するかどうかについて実験を行った。方法として、モジユールの血液側入口濃度が変化した場合にDBが変化するかどうか、また、l pool Mbdelにおいて、血液側入口濃度が経時的に変化した場合にDBが一定値を示すかどうかについてみた。その結果、水溶液系では、任意の血液側入口濃度に対してDBは一定となつた。またl pool Mbdel実験でも、透析中、DBは一定値を示した。すなわち、水溶液系ではKleinのDBが電解質にも使用できることがわかつた。しかし、タンパク質を含む場合、膜不透過の陰イオンのため、電解質に対してDB式は使用できなかつた。しかし、ドナン比を考慮すれば、DBは一定となつた。