人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
イオンダイアリザンス
河田 一郎神品 順二竹沢 真吾酒井 清孝
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 13 巻 2 号 p. 677-680

詳細
抄録

モジュールでの溶質移動の研究は、従来、非電解質について行われてきたが、本報では、電解質について検討を行った。Kleinらが示したダイアリザンス(DB)は非電解質に対するものであるが、この式が電解質についても成立するかどうかについて実験を行った。方法として、モジユールの血液側入口濃度が変化した場合にDBが変化するかどうか、また、l pool Mbdelにおいて、血液側入口濃度が経時的に変化した場合にDBが一定値を示すかどうかについてみた。その結果、水溶液系では、任意の血液側入口濃度に対してDBは一定となつた。またl pool Mbdel実験でも、透析中、DBは一定値を示した。すなわち、水溶液系ではKleinのDBが電解質にも使用できることがわかつた。しかし、タンパク質を含む場合、膜不透過の陰イオンのため、電解質に対してDB式は使用できなかつた。しかし、ドナン比を考慮すれば、DBは一定となつた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top