人工臓器
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人保存血液を用いた膜型血漿分離器の性能評価
池田 博之伴野 丞計島田 淳堀 登志彦小沢 喜久夫酒井 清孝中西 光井上 政昭
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1984 年 13 巻 2 号 p. 914-917

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抄録

血漿交換治療用に開発された各種膜型血漿分離器を血漿分画製剤の原料血漿採取用として利用することを目的とし, その膜材質, 形状および操作条件(血液流量, 濾過速度, 温度, ヘマトクリット, タンパク質濃度等)の血漿分離性能へ与える影響を, 人保存血液を用いたin vitro実験により検討した。
その結果, 操作条件は経時的な分離性能の変化に大きく影響することを確認し, 有効に血漿分離のできる流量条件を決定した。温度もまた分離性能に大きく影響し, 低温では経時的に透過性能が減少すること, および膜材質, 形状, 孔径などが温度依存性の重要な因子であることを確認した。さらに, 膜の閉塞原因を検討したところ, タンパク質成分が膜面およびPore内面へ付着することと, 血球成分の付着およびPoreへのもぐり込みが相乗的に作用して膜が閉塞するものと推測された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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