人工腎臓に広く用いられているダイアライザーの溶質除去効率は, 膜の溶質透過性能の他に, 透析液側, 血液側流動状態に大きく左右される。血液側流動状態は, 種々のダイアライザー間で中空糸内径, 本数に極端な差がないため, ダイアライザーによってさほど異なるとは思われない。一方, 透析液側流動状態はほとんどのダイアライザーで流れにくい部分が存在すると思われ, 効率に与える影響は大きい。そこで, 透析効率と流動状態を無次元式をもって整理した。この手法では, ダイアライザーの大きさ, 形状に関係なく同一の式にて検討することができる。6種類の市販ダイアライザーを用いて実験したところ, クリアランスが高値を示しても流動状態が良好とはいえないものもあった。ダイアライザーによっては, さらにジャケット形状などを工夫するとクリアランスが向上し, ダイアライザーの小型化が計れるものもあり, モジュール設計上有益な知見が得られた。