1985 年 14 巻 1 号 p. 487-490
血漿粘度と温度の関係にはAndradeの式, 血漿粘度と総タンパク質濃度(TP)の関係にはわれわれの式が適用可能である。これら2つの式を組み合わせることによって, 温度, TPを変数とした健康人血漿粘度推算式を提出した。
タンパク質組成が健康人と異なる透析患者血漿粘度は, TPに大差がないにもかかわらず, 健康人血漿粘度より高値を示す。また, 推算式より導出きれた活性化エネルギー(E)は, 健康人血漿に比して有意に高値を示す。このため, CA膜血漿電気泳動法によむ分画を調べたところ, グロブリン, フィブリノーゲン分画が健康人よりも高値をもつほど, 粘度異常性, 温度依存性が大きいことがわかった。