1986 年 15 巻 1 号 p. 433-436
疎水性膜の両側に温度差の異なる液体を流し、その蒸気圧差を利用して溶媒を蒸気の形で透過させるサーモパーベーパレーション法は、現在海水の淡水化、食品工業、排水処理等広い分野で注目を集めている。本研究においては疎水性膜によるサーモパーベーパレーション法を用いて、牛血液からSolute-free waterの除去を行ったところ、牛血漿―水系・牛血液―水系の定圧透過実験において安定した水透過流束が得られた。また、その透過水の純度が高く、牛血漿中のNa+, K+, Cl-は99%以上阻止された。