透析患者が社会復帰するためには、腹膜透析などの持続型もしくは通院透析時間を短くした短時間透析が不可欠である。そこで、短時間透析を行うための指標となるパラメータについて検討するとともに、その指標を透析中常にモニターすべく、自動透析システムの応用を考えた。コンピュータシミュレーションの結果、短時間透析では中分子量物質の血液中濃度が真の透析効率を示していない。総除去量は短時間透析ほど増加する。これは、血液中濃度が上昇したためである。総除去量を透析初期の血液中濃度で割った値を調べたところ、透析効率を良く表わしていることがわかった。これらのパラメータを透析中自動的に求めるべく自動透析システムを適用したところ、臨床上問題ない精度で用いることができると思われる。この方法は、透析液濃度のみから血液中濃度を推算するもので、患者に全く負担をかけずに使用することができる。