血漿成分分離の性能向上を目的として、in vitroで溶液環境を変化させて実験を行い、分離性能について検討した。この結果、従来低温下においてはたんぱく質のSCが著しく低下するが、IgGの界面凝集を抑えられる添加物を加えることにより、高いSCが得られることがわかった。また、pHを変化させることによりアルブミン、IgGのSCは著しく変化した。また、それぞれのSCはアルブミンで、pH 4.8, IgGでpH 6.0付近で各膜共に最大値を示した。この最大値を示すpHは各々のたんぱく質の等電点と一致した。また、pHを変化させることにより従来の中性条件では分離することの難しかったアルブミンとIgGを完全に分離することができた。このように、pHによってSCを変化させる原因は、溶質径がpHによって変化したためと考えられた。