人工臓器
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自動透析システムの開発
―至適透析から埋め込み型人工腎臓への挑戦―
竹沢 真吾酒井 清孝
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1987 年 16 巻 3 号 p. 1282-1285

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抄録

現在約6万名の血液透析患者のうち、慢性的に血圧が不安定な患者や、常に細胞内溢水の状態にある患者に対し、最適な透析条件を模索できるよう、自動透析システムを作成中である。現在のところ、透析廃液中の溶質濃度を連続的に測定することにより、血液中の尿素、クレアチニン濃度を臨床上十分な範囲内で推算できた。また、簡便な圧一流量関係から比較的良好に総除水量を知ることができた。しかし、至適透析を自動的に行うためには、極力不均衡症候群などを呈さない状態で目的とする除水量を達成することも大切である。したがって、簡便な除水コントローラーの外に、血圧モニター、循環血液量モニターが必要である。さらに、透析液ナトリウム濃度をある範囲内で自動的に変化させるようなシステムにすることが望ましい。一方、埋め込み型人工腎臓について考えると、ミクロ相分離構造や、液体膜を応用することにより、小型の人工糸球体、再吸収膜が作成できると思われる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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