日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体
第2報歯周病治療に伴う血清IgG抗体の変動
岡村 和則永井 淳熊澤 寛杉山 雅昭水島 ゆみ光田 由可高柴 正悟栗原 英見野村 慶雄村山 洋二
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 29 巻 1 号 p. 146-154

詳細
抄録

歯周病患者71人を対象として, 歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体が, 歯周病治療に伴いどのように変動するかを調べた。歯周病関連細菌として, Bacteroides gingivalis, Actinobacilus actinomycetemcomitans, Capnocytophaga ochraceaを取り上げた。抗体の測定には, 酵素免疫測定法 (ELISA) を用いた。
処置に伴い, 各菌種に対する抗体価は下降した。なかでも, 治療が終了したものでは有意な下降が示された。また, 観血的歯周病治療後の経過日数により, 抗体価の変動の様相に違いがあった。30日未満では, 変化がないかむしろ上昇傾向が認められ, 30日以降には有意な下降が認められた。
以上のことから, 歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体は, 歯周病治療に伴い変動し, 治療効果の判定に有効な指標となりうることが示唆された。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top