血漿タンパク質の成分分離への応用を目的として、多孔質ガラス膜およびアルミニウム陽極酸化皮膜の2種類の無機多孔質膜および対照として有機多孔質膜を用いて、牛血漿の定圧濾過実験を行った。多孔質ガラス漠などの無機多孔質膜は細孔直径分布、細孔の屈曲率などが小さく、細孔直径を任意に変化させることができることから、分離性能に優れているだけでなく、薬品処理や熱処理によって再生が可能であるなど、有機膜にはない長所を持つ。血漿タンパク質分離実験および2次元電気泳動による血漿タンパク質の分折の結果、多孔質ガラス膜は血漿処理能力に優れていること、および血漿タンパク質をシヤープに分離ずることができることがわかった。また、現在のアルミニウム陽極酸化皮膜は血漿成分分離膜として不適であるが、吸着を抑えることがでぎれば、多孔質ガラス膜以上の性能を持つ可能性が示唆された。