1982 年 3 巻 3 号 p. 127-134
下記の一般構造式で表される一連のポリ酸ポリ無水物を合成し, エポキシ樹脂の硬化剤として検討した。これらの硬化物の構造と物性および機械的性質の関係を研究した。その結果, mが大きくなるほど, ガラス転移温度 (Tg) および橋架け密度は低下した。そして, mが8~10のポリ無水物ではTgが室温付近となるため, 室温での機械的性質が低下すると共に, 伸びが急激に大きくなり, 硬化物は強靱性から可撓性のものが得られた。
しかし, mが変化しても電気的性質や吸水性はほとんど同じで, 従来の酸無水物硬化物と同じ程度の優れた性質を示した。