化学工学論文集
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二平行流混合層流れにおける巻上げ運動中のレイノルズ応力分布
時政 辰夫長瀬 洋一原 正明
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1984 年 10 巻 1 号 p. 96-101

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抄録

前報に続いて, ペアリングを生じる前の二次元的渦状運動の成長によって特徴づけられる混合層流れ初期の段階でのレイノルズ応力の測定が行われた.最初に, 混合層幅にわたる応力の総和は, 下流方向距離に対して周期的変化を示すことが見い出せた.応力の総和は, 巻上げ初期に急激に増加し, 次に渦同士の相互干渉のため減少してゆく.この周期性は, Hussainらにより指摘された渦合体期間中での応力の周期性と類似するものである.
一個の渦内部のレイノルズ応力-u'v'分布は, 1) 年齢の若い渦では, 高流速側からのエントレインメトにともなう大きな負の領域と低流速側からのエントレイメントにともなう大きな正の領域が存在している.2) 高流速側と低流速側流体の二重ロール構造によって特徴づけられる渦が相互干渉をはじめている期間でのかなり年齢の古い渦では, 180°位相ずれを生じた高流速側と低流速側の境界付近に二つの大きな正の領域がある.この領域から90°位相がずれた所に小さな負の領域が見い出せた.結果として, レイノルズ応力の正と負の領域は, 渦を円形から楕円形へと変形させる.

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