日本ロボット学会誌
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光学的距離センサ小型化のための一方法
出澤 正徳
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1985 年 3 巻 2 号 p. 87-94

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抄録

3角測量の原理に基づいた新しい型の距離検出法を開発した.この方法では, 観測レンズと対象物の間に鏡が配置される.観測レンズを通して光ビームを投射して物体上に輝点が生成される.輝点からの光は, 鏡で反射された後に観測レンズで観測面上へ投影される.観測面上での輝点の像位置を検出することにより, 3角測量の原理に基づいて, 物体上の輝点の位置を算出できる.すなわち, 鏡に対して観測レンズと対称な位置に仮想的な観測レンズが配置され, これらの仮想観測レンズによる観測系を使用した3角測量と全く同等な効果が得られる.したがって, この方法により距離検出光学系の幅を, 従来方式の3角測量の基線長よりも著しく狭くできる.
理論的な検討および原理的な実験を行った結果, ここで開発した方式により, きわめて小型, 軽量かつ高安定な距離センサを実現できることが確かめられた.この方式に基づく距離センサは, 形状計測やロボティックスなどの分野における, 小型かつ高精度の位置検出センサや近接覚センサなどとしての応用が期待される.

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