反応性エラストマーであるカルボキシル基両末端ポリ (ブタジエン-CO-アクリロニトリル) (CTBN), カルボキシル基両末端ポリブタジエン (CTB), およびアクリロイルオキシ基両末端ポリ (ブタジエン-CO-アクリロニトリル) (VTBN) によるビスマレイミド樹脂の変性について検討した。これらのエラストマーのアクリロニトリル (AN) 含量と末端基の構造がおよぼすプレリアクション, および変性樹脂の熱的性質, 機械的性質, モルホロジーへの影響について調べた。ビスマレイミドとエラストマーの相容性および反応性は, エラストマー中のAN含量の高い (極性の高い) ものほど増加した。エラストマー変性ビスマレイミド樹脂の破壊靱性は, エラストマー濃度が高くなるにつれて, またエラストマー中のAN含量が低くなるにつれて大きくなる傾向を示した。エラストマー変性樹脂の破断面を走査型電子顕微鏡によって観察した結果, AN含量の高いエラストマーは樹脂と良く相容した均一構造であるのに対し, AN含量の低いエラストマーで変性した樹脂はミクロ相分離構造を有することが判明した。