長期透析患者にはアミロイド沈着がみられるが、このアミロイドーシスにβ2-microglobulin (以下β2-MG)が関与していることが報告されて以来、β2-MGの効率のよい体外排除が検討されている。我々は回分式吸着実験を行い、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、多孔質ガラス微粒体、Amberlite XAD-7、8、DHP-1活性炭のβ2-MG吸着特性を測定した。その結果、コラーゲンビーズ、DHP-1活性炭およびXAD-7、8に優れたβ2-MG吸着能が認められ、平衡吸着量はそれぞれ1.9、1.3、6.6、2.7×10-3kg/kg-sorbentであった。弱疎水性材料であるXAD-7は、最も優れた吸着能を示した。吸着平衡に達するまでにDHP-1活性炭では60時間以上、多孔質ガラス微粒体では24時間以上を要した。これは吸着剤の細孔直径が40Å以下であるため、細孔内拡散が律速となるためである。吸着量および吸着速度の点から考えて、β2-MGの除去には弱疎水性素材で、細孔直径が40Å以上の細孔構造を有する吸着剤が適当と思われる。