抄録
H. Staudinger, K, Wagnerの “尿素またはチオ尿素とホルムアルデヒド縮合物の構造 (1954)” の研究に入る。まずこの大論文の “総括” と “序論” からその高分子化学的性格を述べ (第1章), 次でカプロラクタムの融点降下による分子量, メトキシルおよびクロラール末端基法による分子量, 完全な元素分析値といったStaudinger学派独特の研究方法を紹介する (第3章) 。その間, 関係ある事項としてF.Pollakの “メチロール・チオ尿素 (1939)” の紹介, H. Fahrenhorst論文 (1955) の補足, 前報 “アンモニアレゾールへの道” の追記等を記し (第2章), 最後にこの論文に出て来る融点につき考察した (第4章) 。