久留米大学医学部4年生を対象に基本的臨床技能実習を実施し, その間学生の基本的臨床技能の向上を目的としたスキルスラボを利用し, その効果を検討した.4年生113名を対象とした.方法は10グループに分け各グループが2か月にわたりラボを利用した.ラボには救急蘇生モデル, 生体シミュレーター “イチロー”, ワイヤレス聴診器, 医学教育用ビデオなどを準備した.実習終了後, 使用体験に関するアンケート調査を行った.その結果, 半数以上の学生から基本的臨床技能の習得にスキルスラボが有用であったとの評価を得た.しかし, 教材の有効な使用法が十分に理解できずその結果, 有用でなかったと答えた一部の学生もいた.今後, 各種シミュレーターを導入し, 学生の基本的臨床技能の習得をさらに向上させるためスキルスラボの充実が重要であると考えられる.