日本栄養・食糧学会誌
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ヒューマンカロリメーターによるエネルギー消費量測定
精度評価と精度向上のための問題点の検討
二見 順田中 茂穂山村 千晶岡 純高田 和子柏崎 浩
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2003 年 56 巻 4 号 p. 229-236

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抄録

本研究の目的は, 独立行政法人国立健康・栄養研究所に設置された, 間接熱量測定法を用いたヒューマンカロリメーター (whole-body indirect human calorimeter: IHC)による, エネルギー消費量 (energy expenditure: EE) 測定の精度を評価し, 精度向上のための問題点を検討することである。アルコールを6時間燃焼させた40例の実験において, 本IHCによる測定値と燃焼したアルコールの重量から得た理論値との比(測定値/理論値)の平均値±標準偏差は, VO2で101.0±2.1%, VCO2で100.6±1.7%, ΣEEで100.9±1.9%であり, 測定値の高い確度と精度を確認した。しかし, 燃焼時間を短くした実験においては, 特に標準偏差が拡大する傾向となり, 数十分程度の短時間ΣEEの測定精度を向上させるためには, 測定システムおよびデータ蓄積・解析方法の改善が必要である。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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