2003 年 29 巻 1 号 p. 107-112
土壌水分条件をpF1.8(対照区)とpF4.2(乾燥区)の2段階に設定したポットと根箱に植栽した臭柏(Sabina vulgaris Ant.)とカイヅカイブキ(Juniperus chinensis var. kaizuka Hort.)の苗木の地上部、地下部の成長経過や根系分布を調べた。臭柏は水ストレスを受けると地上部の伸長成長が抑制され,当年成長部分のT/R比が低下した。根系の垂直方向への伸長は水ストレスで促進され,7月までに乾燥区の地下部は対照区より深くまで達した。カイヅカイブキでは,水ストレスを受けると地上部,地下部とも伸長成長が抑制されたため,当年成長部分のT/R比は処理区間で変わらなかった。根系分布は両処理区ともほとんどの根が0-10 cm層に分布し,臭柏と違い,下層に根を伸長させる傾向はみられなかった。