アラビア半島南部のオマーン湾沿岸に分布するヒルギダマシ(Avicennia marina(Forssk.)Vierh.)林において,林分構造の調査を行った。その結果,海に通じた水路沿いに発達したShinasのヒルギダマシ林では最大樹高は約6 m,平均樹冠投影面積は1.21 m2であった。林床には多数の実生が生育していた。一方,水路が海とつながっておらず,陸封された状態にあるQuriyatでは,最大樹高は4.5 m,平均樹冠投影面積は2.26 m2で,実生は全く見られなかった。両調査地ともに25 m2の大きさのコンパクトなコロニーがランダムに分布する空間分布の特性を示した。特に,実生が多数発生しているShinasではコロニー構造が顕著であった。