2003 年 2003 巻 742 号 p. 169-180
大規模な線状地下構造物を建設する際には, 地下構造物によって地下水流動が阻害され, 地盤沈下をはじめとする数々の周辺環境等への影響が重要な課題となっている. このため, 地下構造物の設計および施工においては, この地下水流動阻害量が現状の周辺環境等に及ぼす要因や影響を定量的に評価し, 対策工の必要性を工学的に評価する指標が求められている. 本論文は, 地下水流動阻害対策の必要性を評価する指標として, 地盤環境や周辺環境等を総合的かつ定量的に評価できる設計指標「許容地下水位変動量」を提案し, 東京周辺地盤の特徴および地下水位特性を踏まえ適用し考察したものである.