接着歯学
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新規フッ素徐放性ワンステップボンディング材の接着性能
緒方 美和子高田 恒彦原田 直子中島 正俊田上 順次
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2003 年 21 巻 2 号 p. 74-81

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抄録

本研究では, 松風社により新たに開発されたフッ素徐放性ワンステップボンド, Fluoro Bond Shake-One (FB) の接着操作直後および24時間後の微小勢断接着強さを測定し, その歯質接着性能についてReactmer Bond (RB, 松風) と比較検討した.牛下顎前歯歯冠部唇面から12×6×2mmのエナメル質板・象牙質板を各8枚ずつ切出し, #600耐水研磨紙にて仕上げた後, FBおよびRBを製造者指示に従って用い, Shimadaらの方法によりBeautifil (松風) を接着させて, 接着15分後および24時間後の微小勇断接着強さを測定した (n=10).またFB・RBによる人歯エナメル質・象牙質処理面およびFBのエナメル質・象牙質接合界面のSEM観察も行った.エナメル質, 象牙質とも15分後, 24時間後両群でFBのほうがRBより有意に高い接着強さを示した.FBの象牙質接着強さは15分後と24時間後ではほぼ同等であった.またFBは15分後に, エナメル質ではRBの24時間後とほぼ同等, 象牙質ではRBの24時間後より有意に高い接着強さを示した.FBはRBより接着強さが向上し, 優れた接着性能をもつ材料であると考えられる.

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© 日本接着歯学会
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