2003 年 21 巻 2 号 p. 118-128
間接法レジン支台築造の有効性を検討する目的で, ヒト象牙質に対して各種象牙質面処理, また2種類の接着材を使用して, 試料製作24時間後とサーマルサイクル試験5,000回後のせん断接着強さを測定し, 比較検討した.また, 各種象牙質面処理後, および接着界面の走査型電子顕微鏡による観察を行った.
その結果, 間接法レジン支台築造のせん断接着強さは直接法に比較して, 同程度あるいは有意に高い値を示す象牙質面処理の条件があった.また, サーマルサイクル試験後ではすべての条件が同等であった.一方, 走査型電子顕微鏡による観察では, 象牙質面の性状の変化, あるいは接着界面に差異が認められ, 接着機構が異なることが確認できた.