2003 年 46 巻 11 号 p. 869-872
症例は40歳, 女性. 1型糖尿病を10年前に発症し, カルバマゼピンによるhypersensitivitysyndrome (HS) により全身の皮疹, 著明な低ガンマグロブリン血症, 敗血症を来し入院. リンパ球幼若化試験ではT細胞機能の低下を認めた. さらにリンパ球サブセットではB細胞数減少を認めた. カルバマゼピンの中止により皮疹は軽快した. それに伴いガンマグロブリンは増加し, 敗血症も改善したことより低ガンマグロブリン血症はカルバマゼピンに伴うT細胞機能低下によることが示唆された. 糖尿病性神経障害に対して抗てんかん薬を使用する頻度が少なくない. これらの薬剤を使用するにあたってはHSと低ガンマグロブリン血症の発症に注意を要すると考えられる.