阪神・淡路大震災前後から, 京都市市街地周辺を通る断層系は活動期に入ったと言われており, 早急な対策の必要性が指摘されている. 本研究では, 京都市市街地を対象とし, 震災時の人的な被害の軽減に関して考察することをすることを目的とした. 被災対象を高齢者とし, ハード的な震災リスクとして袋小路, これを軽減するソフト的な手段としてコミュニティの活性化を取り上げた. 独自の定義によって明らかにされた災害弱地域に住む高齢者の震災リスク軽減のためのコミュニティとして, 居住地を中心とするコミュニティと, 高齢者が通う施設を核とするコミュニティの存在を指摘し, 後者の重要性を明らかにした. 両コミュニティの関係と, 震災リスクの軽減化まで考慮した施設の配置について考察した.