人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
映像の切り替えパターンと効果音の調和
岩宮 眞一郎関 学吉川 景子高田 正幸
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 39 巻 6 号 p. 292-299

詳細
抄録

テレビ番組や映画などで, ある映像シーンから別の映像シーンへ場面を転換するとき, 様々な切り替えパターンが用いられる. 本研究では, 効果音が各種の切り替えパターンの印象に与える影響を, 印象評定実験によって明らかにした. 一般に,「明るい」印象の連続的なスケール状の効果音が, 各種の切り替えパターンと調和する. とりわけ, 上昇系列の音列と拡大系の切り替えパターン, 下降系列の音列と縮小系の切り替えパターンの調和度が高い. 本研究で認められた音と映像の調和感は, 音と映像の変化パターンの一致に基づく構造的調和によるものと考えられる. さらに, 音と映像の調和度が高い視聴覚刺激は映像作品としての評価も高い. これは, 音と映像が一体となって互いの効果を高め合う協合現象によるものと考えられる. 音と映像の構造的な変化パターンの一致が調和感をもたらし, 視聴覚情報が一体のものとして理解されることで, 評価が高まるのであろう.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人間工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top