化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
粒度偏析現象の個別要素法を用いた解析的検討
吉田 順後藤 邦彰増田 弘昭
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 22 巻 3 号 p. 622-628

詳細
抄録

偏析は粒子流動に伴う現象であり, 経験的・実験的な検討から, 一般的傾向について知見が得られているものの, ミクロなメカニズムの観察は困難であった.本研究では, まず2次元DEMを用いたシミュレーションをガラスビーズの投入時の粒度偏析現象の実験について実施した.これは全体的な堆積の挙動については実験と対応した結果を示したが, 堆積層内粒度分布の偏析の傾向を再現できなかった.次に, 部分モデルを設定し, 2次元および3次元の解析を実施して結果を比較した.2次元の結果が大きいばらつきを示したのに対し, 3次元では堆積過程を表現するとともに, 実験で示された偏析の傾向を再現することができた.また, その結果を粒子単位で評価することにより, 実験で想定された偏析のメカニズムが妥当であることを確認した.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top