2004 年 3 巻 1 号 p. 1-12
分子軌道計算において配置展開に基づいて電子相関を導入する場合、積分は基底関数の添字から分子軌道の添字に変換しておく必要がある。特に、基底関数の総数に対して4乗量である2電子積分の変換は計算コストが大きいために、演算数を可能な限り減らして効率的に処理することが重要となる。そこで、山本と長嶋によるアルゴリズム (J. Comp. Chem., 9, 627 (1988) ) に基づいて閾値以上の積分のみを扱い、さらに基本線形代数ルーチンDAXPYとDDOTを導入して高速化を図った2電子積分変換モジュールを開発した。