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高温熱処理したシリカゲルおよび多孔質ガラスを吸着剤に用いたトリチウム水の濃縮
上松 和義戸田 健司佐藤 峰夫
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2004 年 53 巻 8 号 p. 435-443

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抄録

1100℃までの温度範囲で熱処理を行ったシリカゲル及び多孔質ガラスを吸着剤に用いて, トリチウム水の吸着濃縮を行った。トリチウム水は通常の水に比べ強く吸着していることがわかった。トリチウム分配係数は, 多孔質ガラスでは熱処理温度の上昇と共に低下する傾向が見られたのに対し, シリカゲルでは逆に, 900℃以上で急激に上昇し, 1100℃熱処理では1.38と高い値を示した。熱処理後のシリカゲルには孤立型シラノール基が形成されていることがわかった。孤立型シラノール基に吸着したヒドロキシル基あるいは水分子は互いに水素結合することが困難であるため, トリチウムの質量効果が大きく現れたものと推察された。

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