土壌水分条件をpF1.8(対照区)とpF4.2(乾燥区)の2段階に設定したポットに植栽した臭柏とカイヅカイブキの苗木の蒸散速度と気孔コンダクタンスおよび根,茎,葉の水ポテンシャルを測定した。また,切り枝により気孔蒸散速度,クチクラ蒸散速度を求めた。臭柏は水ストレスを受けると気孔コンダクタンスを低下させ,葉の含水率が高いうちに素早く気孔を閉鎖した。また,地上部の高い水ポテンシャル勾配によって吸水力を確保した。一方,土壌水分が十分にある場合,気孔を開いて盛んに蒸散を行っていた。カイヅカイブキは水ストレスを受けるとクチクラ蒸散速度も気孔蒸散速度も低くし,高い含水率で気孔閉鎖が起こった。また,地上部の水ポテンシャルの勾配は処理区間でほとんど差がなかった。しかし,地下部の水ポテンシャル勾配は乾燥区で大きく低下した。