2004 年 42 巻 4 号 p. 505-511
徳島大学歯学部附属病院小児歯科は,1982年4月1日開設以来,小児の全人的な健康に寄与することを目的として,0歳児から成長発達の完了する20歳頃までの小児を対象に長期口腔健康管理を行っている。今回,開設以来2003年3月31日までの21年間に来院した9752名の初診患児を対象に調査・分析を行い,以下の結果を得た。
1.初診患児数は21年間の年間平均は464名で1991年から1996年に向け減少傾向をたどったが,1997年以降増加傾向に転じた。
2.開設当初は乳歯列期の小児の受診割合が約40%で最多であったが,1992年以降は混合歯列期の小児の受診割合が約45%を占め最多であった。
3.開設当初は紹介の無い患児が80%以上であったが,近年は紹介率が約30%で維持されていた。
4.各年度とも約10%は障害児,有病児であった。
5.主訴は開設当初約60%であった「齲蝕」が,近年約30%に減少し,開設当初10%以下であった「混合歯列期の歯並び」「歯数・萌出の異常」および「外傷」が各々約15%へと増加傾向を示した。
6.当科を選んだ理由は,各年度を通して「他歯科医院からの紹介」「高度な治療」が上位を占めていたが,近年「親戚・知人からの紹介」が約20%と多くなった。
7.1992年以降,5年以上の継続受診者は約50%になった。