九州病害虫研究会報
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ロータリ耕耘や代かきによるスクミリンゴガイの殺貝効果
和田 節遊佐 陽一市瀬 克也菅野 絋男松村 正哉有村 一弘浦野 知高橋 仁康
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2004 年 50 巻 p. 23-28

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抄録

スクミリンゴガイの密度を低減する方法として,ロータリ耕耘や代かきの殺貝効果を圃場レベルで調査した。
試験は火山灰(黒ぼく)土壌水田で行い,効果の判定は,処理前後の貝の密度変化によった。
1.圃場の貝の殻高平均が約20mmの場合,ロータリ耕耘により約75%,代かきにより67%の殺貝率が得られた。
2.圃場の貝の平均殻高が約12mmの場合,耕耘と代かきにより68%の殺貝効果が得られた。
3.特殊なロータリを装着し,トラクタをゆっくり運転して,通常の耕耘より短いピッチで耕耘する方法(防除耕耘)も試みたが,通常の耕耘と殺貝率に差は認められなかった。
4.以上の結果から,膨潤で硬化しにくい火山灰土壌であっても,ロータリ耕耘や代かきにより,水稲栽培前の貝密度を効果的に低減できることが明らかになった。

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