皮膚の科学
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症例
HIV感染者に発症した2期梅毒疹の1例
正木 太朗中村 敦子谷 昌寛
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キーワード: 第2期梅毒疹, HIV感染者
ジャーナル 認証あり

2004 年 3 巻 5 号 p. 497-500

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抄録

36歳,男性。同性愛者。1999年4月にアメーバー性肝膿瘍で当院消化器内科入院時にHIV感染の可能性を指摘され検査をしたところ陽性であった。2003年8月上旬より顔面,躯幹,四肢に小豆大から豌豆大までの暗紅色丘疹および結節が多発してきた。皮疹の中央部にはびらん,血痂,痂皮を伴うものを多く認めた。RPR法 128倍,VDRL法 64倍,TPHA法 20,480倍,FTA-ABS-IgMは陽性であった。皮疹の病理組織学的所見とあわせてHIV感染者に発症した2期梅毒疹と診断した。アモキシシリン1000mg/日を4週間内服投与したところ,約2ヵ月後には梅毒の皮疹は色素沈着のみとなり,臨床検査結果も著明に改善した。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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