日本緑化工学会誌
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論文
オマーン国に成立するヒルギダマシ (Avicennia marina (Forsk.) Vierh.) 林のRAPD法による遺伝的変異の解析
山口 康人三木 直子吉川 賢
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2005 年 31 巻 1 号 p. 92-96

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抄録

オマーン国の海岸線に成立する7つのヒルギダマシ林において,地域集団の遺伝的変異について明らかにするために,RAPD法によりDNA多型解析を行った。その結果,北中部と南部の集団間で遺伝的距離が遠いことが明らかとなった。そのようなヒルギダマシの植林を行う上で,地域間での苗や種子の移動には配慮が必要であることが示唆された。遺伝的多様性と林分面積の間には正の相関があり,林分面積が大きな集団ほど遺伝的多様性が高くなることが示唆された。ヒルギダマシ林の遺伝的多様性を保全するためには大きな林分面積を維持する必要がある。

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© 2005 日本緑化工学会
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