2005 年 34 巻 5 号 p. 382-385
症例は46歳,女性.胸部違和感,労作時息切れを主訴に当院内科を受診した.緩解増悪をくり返す心嚢液貯留を認め保存的治療を行っていたが,5ヵ月後に超音波検査で右房内に可動性のない腫瘍を認めたため入院となった.血管造影検査にて右冠動脈から右房内腫瘍への血流を認め,MRI検査などの結果より右房原発悪性腫瘍の診断で腫瘍摘出術を施行し,術後放射線療法を追加した.術後4ヵ月目に肺,肝転移を認めたため,免疫療法,肝動脈塞栓療法など集学的治療を行ったが,術後355日目に肝転移にて永眠された.