環境システム研究論文集
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居住者意識に基づく水環境評価モデルの構築とその『水が循環するまちづくり』への援用
谷口 守古米 弘明小野 芳朗大久保 賢治諸泉 利嗣
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2005 年 33 巻 p. 125-131

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抄録

生活の質 (QoL) の向上や循環型社会の形成を実現するため, まちづくりの中で高い比重を占める水環境整備のあり方について, 分野横断的な政策提言が求められる状況にある. 本研究では2, 000人以上に及ぶ都市居住者の身近な水環境評価に対する意識調査結果をもとに水環境評価モデルを構築し, あわせてまちなかの水環境に対する意識面での水質要求特性の分析を行った. 分析の結果, まちなかに「流れ」が不足している地区への「流れ」の導入が特に効果的で, 多少の化学的水質を落としても居住者の評価意識の面では問題ないことが定量的に示された, 具体的な政策提言として, 下水処理水の一部を地下涵養し, 再び居住者評価の低い流域に上流還元することで, 水環境評価を効果的に改善できることを明らかにした.

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© 社団法人 土木学会
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