2005 年 24 巻 5 号 p. 543-551
圧縮性平板境界層の空間発展直接シミュレーションによって遷移機構とその結果形成される構造を研究した.主流マッハ数は0.5で計算領域人口レイノルズ数は排除厚さを使って1000である.TS波と一対の安定もしくは中立な斜行波を層流境界層である流入口に導入した.それぞれの撹乱の振幅は1%である.TS波が飽和した後に斜行波の成長によってピーク・バレー構造が現れ, その下流にはヘアピンパケットが発達した.低調波による遷移開始が早いことがわかった.ヘアピン渦の発達は壁面付近に低速・高速ストリークと微細縦渦構造をもつ大規模構造を形成することを示す.