2006 年 5 巻 1 号 p. 32-36
66歳,男性。1988年に尋常性乾癬発症。2002年10月に発熱,全身の潮紅,浮腫,膿疱が出現し,膿疱性乾癬と診断された。入院し,エトレチナート75mgの治療を受け皮疹は改善したが,緊満性の水疱が出現した。通常の正常ヒト皮膚切片基質の蛍光抗体間接法(IIF)にて抗表皮基底膜部抗体が陽性であった。1M食塩水剥離皮膚基質のIIFにて表皮側陽性,BP180のNC16a部位リコンビナントタンパクの免疫ブロット法陽性,BP180リコンビナントELISA陽性より,膿疱性乾癬に合併した水疱性類天疱瘡と診断した。エトレチナート20mg,シクロスポリン75mgにて水疱は消失した。現在乾癬のコントロールは良好であり,水疱の再燃を認めない。