2006 年 19 巻 3 号 p. 212-220
土地利用変化や大ダム貯水池開発などの人間活動による河川流況への影響を評価することを目的に,汎用型水理水文モデル(MIKE11)を利用して,タイ王国・Chao Phraya川を対象とした水循環モデルを構築するとともに,その妥当性について検証を行った.大規模な開発がまだ行われていない1956年から1960年を対象にしてモデルパラメータの同定を行い,1961年から1962年の2年間分の河川流量と水位の再現計算を行った.その結果,河川流量,水位共に定性的・定量的に極めて精度の高い再現結果が得られたことから,本稿で構築したモデルの妥当性を明らかとなった.