2006 年 5 巻 2 号 p. 198-205
そう痒を有する皮膚疾患患者116例を対象として,エバスチンを1日1回5~10mgを4週間投与した。皮膚疾患特異的QOL調査票であるSkindex-16 を用い,エバスチンの有用性について皮膚症状およびQOLの観点から検討を行った。そう痒および掻破痕の程度は,投与前と比較して4週後にいずれも有意に軽症化した。痒みのVASスコアも投与前と比較して,4週後に有意に低下しそう痒の改善が認められた。QOLでは,機能スコアを除く症状スコア,感情スコアおよび総合スコアが投与前と比較して4週後に有意に低下しQOLが改善した。疾患別では,アトピー性皮膚炎および湿疹の総合スコアが,4週後に有意に低下しQOLが改善した。そう痒を有する皮膚疾患患者に対するエバスチンの投与は,皮膚症状を改善するだけでなく,さらには患者QOLをも改善することが認められた。