2006 年 18 巻 4 号 p. 586-597
本論文では, 道路交通における運転者の経路選択行動をモデル化し, そのモデルを我々が開発している微視的道路交通シミュレータMITRAMへ導入して, 道路情報の交通状況への影響を調べる. 構築したモデルは, ファジィ推論をネットワーク状に接続した構造によっていて, 不明確な要因を含む経路選択行動のモデル化に有効なことを示す.
本モデルの検証は, 一般によく使用されているベンチマークテストを用いて行い, またシミュレーションによって経路選択に対する運転者の運転行動の違いによる渋滞への影響の仕方や交通情報の提供の有無の交通状況への影響を解析する. そしてこれらを通じて, MITRAMの適用範囲を拡大できることを示す.