ジオシンセティックス論文集
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ジオグリッドで補強された水平砂地盤の支持力特性の載荷速度依存性
平川 大貴龍岡 文夫Warat KONGKITKUL
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2005 年 20 巻 p. 229-234

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抄録

ポリエステルジオグリッドを敷設して補強した水平地盤の支持力特性における粘性挙動を標検討するため、無補強の豊浦砂地盤と補強砂地盤の室内平面ひずみ模型載荷実験を行った。以下の知見を列挙する。1)地盤の基礎鉛直初期載荷に対する剛性と最終支持力は引張り補強によって大きく増加するが、弾性的剛性も若干増加する。2)弾性的剛性は、補強の有無によらず基礎接地圧の増加に対してべき乗則に従って増加する。3)補強の有無によらず、地盤の支持力特性には載荷速度依存性がありクリープ変形を示し、全体的な弾粘塑性挙動は材料のものと類似である。4)一定沈下速度での単調載荷の途中で沈下速度を急変させると基礎平均接地圧と底面での局所接地圧は急変する。沈下速度の変化比の対数に対する基礎接地圧の変化率の比を速度感応係数βと定義すると、その値は無補強と補強地盤で類似であり豊浦砂の三軸圧縮試験から得た値とも類似であるが、補強材(ポリエステル)の引張り試験から得た値よりも遙かに小さかった。5)詳細にみると、側方伸びひずみに対する拘束が強い場合ほどβの値は小さくなる傾向にあることから、豊浦砂のβの値に対する応力経路の影響があることが示唆された。これらの実験結果は、砂とジオグリッドの弾粘塑性を表現できる非線形三要素モデルに基づいた数値解析によって、補強砂地盤の載荷に伴う即時沈下の載荷速度依存性と荷重保持載荷による残留沈下を予測可能であることを示している。

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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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