日本救急医学会雑誌
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熱傷3例における頸部エコーによる喉頭浮腫の評価
肥田 誠治遠藤 裕大橋 さとみ本多 忠幸木下 秀則
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2006 年 17 巻 9 号 p. 651-655

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抄録

気道熱傷を伴う全身熱傷では気道管理の判断に困難を伴う場合がある。今回われわれは,非侵襲的な気道評価法として,頸部エコー法により喉頭蓋の前後経を測定し,そのモニターとしての有用性について検討したので報告する。症例:顔面熱傷を伴う全身熱傷の診断でICU入室となった3症例を対象とし,経日的に喉頭蓋前後径の推移を頸部エコー法により評価した。ICU入室後気管挿管となった2症例(23歳男性,37歳男性)では,入室後の喉頭蓋最大経がそれぞれ0.35cm, 0.25cmと高い値であり,両症例とも,入室後6日目までには0.2cm以下に低下した。また,症例2 (23歳女性)は,気管挿管を必要としなかったが,経過中喉頭蓋前後径は低値で推移した(0.08-0.14cm)。結語:顔面熱傷合併症例において,気道管理の判断に際し,非侵襲的な咽頭,喉頭部の頸部エコー法による評価は有用ではないかと考えられた。

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