抄録
これまでのESCO事業は単独施設を対象に実施されることが殆どであり, 施設によっては, 使い道がないため熱エネルギーを破棄するなどエネルギーの利用が非効率的であるなどの課題が認識されていた. 本研究では, エネルギーの相互利用という新たなアプローチの視点を加え, 岸和田市の市有施設と他官公庁系施設や民間施設との連携・エネルギーの相互利用による省エネルギーの可能性について分析を行った. 分析の結果, 施設間が連携して適正な排熱利用をおこなうことにより, 施設単体のESCO事業に比べてさらに省エネルギーを図りうる可能性があることを定量的に明らかにした.