2006 年 34 巻 p. 507-513
これまでの他地域に依存した水利用システムには限界があるとされており, 地域内の地下水涵養などによる自己水源の確保が重要な課題となっている. そこで本研究では, 人々の水利用に対して, 雨水浸透という形で自然に還元するとした場合, その地区の面積を如何ほど必要とするかを表現する指標として, ウォーターサプライ・フットプリント指標を提案し, 都市施設配置が異なる4つの地区でその適用を試みた. さらに, 水利用・浸透化のための施設導入効率が各地区によりどのように異なるかも検討した. その結果, 現状における自己水源涵養への貢献度は土地利用状況に左右される一方, 施設導入による効率性はスプロール地区と比較して, 計画的に整備された地区が高い結果となった.