2007 年 51 巻 1 号 p. 1-10
臨床疫学研究を遂行する際に, 統計方法の選択と結果の解釈は頭を悩ます事項である. 特に, 臨床研究の遂行に十分慣れていない初心者にとっては, 統計の難しさがハードルになって, 臨床研究に苦手意識を持つ場合がある. しかし, 臨床疫学研究の本質は, 仮説の設定と研究デザインであり, これらが決まれば, 予測因子と結果因子, 統計方法はある程度自動的に決定される. 本論文では, 前回の研究デザインを中心にした内容に引き続いて, 各種変数, 統計方法などこれから臨床研究を行うための必須の知識を概説した.