2006 年 5 巻 6 号 p. 445-449
2002年から2005年に皮膚科外来を受診した49例の陥入爪患者に対して爪甲下綿花挿入による治療を行い,治療効果について評価を行い,その有効性について検討した。本法は爪甲下全体に綿花を少量挿入することにより爪甲全体を浮き上がらせ爪甲先端が周囲組織を損傷しないようにして爪甲の伸長を誘導する方法である。Heifetz分類の I 度(炎症期)9例中7例(78%)が,II 度(化膿期)33例中29例(88%)が,III 度(肉芽腫)7例中5例(71%)が「略治」または「改善」となり,49例のうち41例(84%)が「改善」以上の結果を示した。I 度ないし II 度の症例のみならず,III 度の症例に対しても本法が有効であると考えられた。