日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
膵併存腫瘍の1例―本邦報告33例の集計を含む―
岩室 雅也窪田 淳一齊藤 俊介合原 大博大田 剛由緒方 正敏詫間 義隆田中 彰一牧野 泰裕村上 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 104 巻 6 号 p. 829-836

詳細
抄録

症例は30歳,女性.低血糖発作を契機に膵体部に22mm大の腫瘍を指摘された.精査の結果インスリノーマと診断し腫瘍核出術を行ったが,膵管癌が併存し,周囲組織に浸潤しリンパ節転移もともなっていたため,非治癒切除となった.本例は内分泌腫瘍および外分泌腫瘍が併存しており,膵併存腫瘍と最終診断した.膵併存腫瘍は本邦において1980年以降33例の報告があるのみであり,まれな腫瘍である.一般に本症の術前診断は容易ではないが,膵内分泌腫瘍に比べ予後が不良とされており,慎重な画像診断が求められる.

著者関連情報
© 2007 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top